記帳業務を劇的に効率化するAIシステム『TaxSys』。生まれた「余白」で税理士の業務の幅を広げる『TAXGROUP』の構想

顧問先の拡大や業務の多忙化に伴い、記帳代行や資料確認といった作業に追われ、本来注力すべき顧問先との対話や経営支援に時間を割けないとお悩みの税理士事務所は少なくありません。単なるツールの導入だけでは、業務の属人化や体制構築といった根本的な課題の解決に至らないケースもあります。
『TaxSys(タクシス)』は、既存の会計ソフトやGoogle Workspaceを活かし、記帳業務の自動化とデータ蓄積を同時に実現する税理士事務所専用のデータ基盤システムです。作業の負担を削減して事務所内に「時間と資金の余白」を生み出し、将来的なAI活用の土台を整えます。
本記事では、TaxSysの具体的な機能や導入効果と併せて、効率化によって生み出した余白を活かし、税理士としての業務の幅を広げて提供価値を高める『TAXGROUP』の構想について解説します。

1.はじめに:AI時代の税理士事務所が抱える課題

顧問先の拡大に伴い、記帳代行や月次処理、決算申告といった実務が増加し、事務所の体制構築に悩まれるケースは少なくありません。とくに、現場の運用においては以下のような課題が共通して発生しています。

  • 入力作業の負担:領収書や請求書の入力が終わらず、繁忙期は残業や外注費が増加し続ける
  • 資料管理の分散:紙やメール、チャットなどに資料が散在し、探すこと自体に時間が奪われる
  • 業務の属人化:相談内容や対応履歴が個人の記憶に依存し、担当が変わると引き継ぎに時間がかかる
  • AI活用の壁:関心はあっても日々の業務に追われ、具体的な活用に着手できていない

新しいツールを導入して単なる作業の効率化を図るだけでは、属人化の解消などの事務所全体の根本的な課題解決には至りません。証憑や顧問先情報、面談記録を事務所の資産として蓄積し、データとして活かせる状態にすることが必要です。

2.AIシステム『TaxSys』の3つの特長

TaxSysは単なるAI-OCRサービスではなく、税理士事務所向けに専用設計されたデータ基盤システムです。Google Workspaceを基盤に活用することで、一般的な従量課金型のサービスと比較して低コストでの運用を実現しています。

日々の入力負担を削減しつつ、AI活用の土台を整えるTaxSysには、主に以下の3つの特長があります。

  • 最大500件の証憑を最長5分でデータ化するAI-OCR
  • Google Workspaceを基盤とした「データの置き場所」の構築
  • 既存の主要な会計ソフトをそのまま活用可能

これらの機能を連動させることで、単純な入力作業の負担軽減にとどまらず、事務所内のデータを「貯めて、活かす」環境が実現します。その結果、資料管理の分散や業務の属人化を防ぎ、AI活用の壁を解消するデータ基盤が整います。

①最大500件の証憑を最長5分でデータ化するAI-OCR

AI-OCR機能を利用することで、手作業が中心だった記帳業務を自動化中心のフローへ移行できます。最大500件の証憑を最長5分でデータ化でき、利用コストは1仕訳あたり3円〜(2026年8月現在)と低価格に抑えられています。

証憑データは、デバイスからのドラッグ&ドロップやGoogle Drive経由でアップロードが可能です。システムの読み取りに対応している主な資料は以下の通りです。

  • 取引書類:領収書、レシート、請求書、振替伝票
  • 明細・帳簿:通帳、クレジットカード明細、現金出納帳
  • 確定申告・決算用:一般医療費、ふるさと納税、決算資料

読み取ったデータは、下図のようにAIが結果の信頼度を3段階で自動判定し、確認すべき箇所を色分け(赤・黄・青)で可視化します。残高や期間のズレもアラートで通知される仕組みのため、スタッフは要確認の証憑のみに集中してチェック作業を進められます。

TaxSysのAI-OCR読み取り結果画面 信頼度を赤・黄・青の3段階で色分け表示

②Google Workspaceを基盤とした「データの置き場所」の構築

証憑をデータ化するだけでなく、Google Workspaceと連携して事務所内の情報を一元管理できる点もTaxSysの特長です。顧問先ごとの資料や面談履歴を特定の場所に集約し、将来的なAI活用の土台となるデータ基盤を整えます。

具体的には、以下の機能によって資料探しや情報共有にかかる時間を削減します。

  • Google Driveでの資料自動整理:システムに顧問先を登録するだけで、Google Drive内に顧問先別のフォルダと書類ごとのサブフォルダが自動生成されます。
  • CRMによる顧客情報の蓄積:顧問先の基本情報や決算月のほか、面談記録、相談内容、対応履歴といったコミュニケーションの履歴を蓄積できます。

紙やメール、チャットなどに分散していた情報を一つの場所に整理することで、担当者不在時や決算時でも必要な資料へ即座にアクセスできるようになります。これにより個人の記憶に依存しない体制が構築され、担当者変更時の引き継ぎも円滑になります。

③既存の主要な会計ソフトをそのまま活用可能

システム導入にあたって、現在事務所で利用している会計ソフトを変更する必要がない点もTaxSysの強みです。

以下の主要な会計ソフトをはじめ、多数のシステムへのデータ取り込みに対応しており、今後も連携先は拡大予定です。

  • 対応ソフト例:freee、マネーフォワード、弥生会計、MJS(ミロク)、JDL、TKC、エプソン、勘定奉行、発展会計、フリーウェイ、MA1、ICSなど

各ソフトの仕様に合わせ、APIによる直接連携や、CSV(Excel)形式でのデータインポートが可能です。たとえば、弥生会計向けには、自動で勘定科目を設定する「仕訳ルール」を事務所・顧問先単位で登録できる機能が備わっています。また、ミロク(MJS)や発展会計などにおいても、出力データを仕訳辞書と組み合わせることで手動修正の工程を削減できます。

現在使い慣れている会計ソフトの運用フローを活かしたまま、入力業務の自動化をスムーズに進めることが可能です。

3.導入効果:手入力中心から、自動化中心の業務へ

従来の記帳業務では、資料の回収から仕訳入力、確認、試算表チェックまで、手作業による多くの工程が発生していました。TaxSysを導入することで、証憑のアップロードと自動データ化を中心とした業務フローへと再構築できます。

業務フローが自動化へ切り替わることで、以下のような変化が生じます。

  • 入力作業の削減:手入力や転記作業が自動化され、スタッフの作業負担が軽減する
  • 待ち時間の解消:外注や納品待ちが発生せず、取り込んだその場で処理を完了できる
  • 確認業務への集中:AIによる自動判定やアラートにより、要確認のデータチェックのみに専念できる

実際に導入した税理士事務所では、具体的な成果が報告されています。たとえば、証憑処理の内製化により確定申告期に約170万円のコスト削減を達成した事例や、OCR処理時間が1日から5分へと短縮された事例があります。

手作業にかけていた時間や外注コストを抑えることで、事務所内に「時間と資金の余白」が生まれます。生まれた余白を活用することで、顧問先への提案活動や高付加価値業務へのシフトが可能になります。

4.単なるツールではない。付加価値業務へ導く『TAXGROUP』の構想

TaxSysは、一般的なSaaSのようにシステム単体で提供しているツールではありません。独立性を保ちながら持続的成長を目指す税理士・会計士のボランタリーチェーン『TAXGROUP』の加盟事務所専用システムとして開発・提供されています。

TAXGROUPは、業務の自動化によって生み出した「余白(時間・資金)」と、システム内に蓄積された「データ」を活用し、税理士が事業者と向き合う時間を取り戻すことを目的としています。

TaxSysとTAXGROUPの仕組みを通じて、事務所内では以下のような変化が実現します。

  • 作業から対話へのシフト:入力や確認作業に追われる現状を改善し、顧問先との対話や関係性構築へ時間を充てられる
  • 蓄積データの活用:CRMやGoogle Driveに蓄積された面談記録や財務データを基に、説得力のある提案が行える
  • 業務の幅の拡大:生まれた時間とデータを活かして経営支援などの高付加価値業務へシフトし、事務所の提供価値を高められる

ツール導入による一時的なコスト・時間短縮にとどまらず、税理士としての提供価値を高め、事務所の持続的な成長基盤を築くための仕組みとして、TAXGROUPのネットワークとTaxSysが機能します。

5.プランと料金

TaxSysの料金体系は、一般的な従量課金型AI-OCRサービスとは異なり、定額ロイヤリティ制をベースとしたプラン設計になっています。事務所の規模や利用目的に合わせて、以下の3つのプランから選択可能です。

STARTER(スタータープラン)

項目
詳細
初期費用
150,000円(事務手数料)
ロイヤリティ
月額契約:20,000円/月
年払い:180,000円/年(月換算15,000円)
主な仕様・特徴
・2アカウントまで利用可能
・月間3,000クレジット付与
・ひとり事務所や試用向け

STANDARD(スタンダードプラン)

項目
詳細
初期費用
150,000円(事務手数料)
ロイヤリティ
月額契約:39,800円/月
年払い:357,600円/年(月換算29,800円)
主な仕様・特徴
・アカウント制限なし
・月間5,000クレジット付与
・複数人利用の標準プラン

STANDARD+(スタンダードプラスプラン)

項目
詳細
初期費用
150,000円(事務手数料)
ロイヤリティ
月額契約:49,800円/月
年払い:477,600円/年(月換算39,800円)
主な仕様・特徴
・アカウント制限なし
・月間5,000クレジット付与
・個別壁打ち相談などの伴走サポート付き

※料金はすべて税抜表記です。各プランにはGoogle Workspaceの導入支援が含まれています。

6.導入サポートと運用定着ステップ

新しいシステムを導入しても、現場のスタッフが使いこなせなければ本来の効果は発揮されません。TaxSysでは、システムの導入から実際の業務フローへの定着までを伴走支援する体制を整えています。

支援は「導入前」「初期導入」「運用定着」の3つのステップに分けて実施されます。

  • 導入前:既存の業務フローや使用している会計ソフト、Google Driveの利用状況を確認し、導入範囲やTaxSysの具体的な運用方法を設計します。
  • 初期導入:Google Workspaceの導入支援やTaxSysの初期設定、スタッフ向けの操作説明を行い、実際の証憑を用いて運用を確認します。
  • 運用定着:スタッフからの質問対応をはじめ、業務フローの改善やCRMの活用支援など、AI活用に向けたデータ蓄積をサポートします。

まずは一部の顧問先や特定の業務など、小さな範囲から試験的に運用を始めます。実際の効果を確認しながら段階的に対象を広げていくことで、現場の負担を抑えつつ、事務所全体へ無理なくTaxSysを定着させることが可能です。

7.企業情報・サービスリンク

項目
詳細
運営会社
株式会社SoLabo(ソラボ)
代表者
代表取締役 田原 広一
設立
2015年12月
資本金
8,709万円(資本準備金を含む)
本社所在地
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 リンクスクエア新宿16F(WeWork内)
事業内容
・税理士事務所向け支援
 ボランタリーチェーン『TAXGROUP』の運営、税理士向けAIシステム『TaxSys』の開発・提供、コミュニティ運営など
・中小企業・事業者向け支援
 資金調達支援(融資・補助金合わせて10,000件超)、財務支援(CFO代行)、マーケティング支援など
関連リンク
・TAXGROUP 公式サイト
・TaxSys サービス詳細