開業からわずか3年で顧問先1,200社、従業員約130名。急成長を遂げるSoVaグループは、税理士などの専門家の知見とAI・テクノロジーを掛け合わせた会計事務所「SoVa」を展開している。「会計事務所版ユニクロ」を掲げ、手頃な価格と品質の両立を目指すその仕組みとは、どのようなものなのか。
さらに、一般社団法人 会計事務所連携協議会に参画し、社内で培ったノウハウを会計業界へ還元していく構想について、TAX CONNECTIONの税理士・古尾谷が取材した。
目次
「最高かつ最大」のサービスを提供する組織力
はじめに、ご経歴を教えてください。
山本様(以下、山本):私は慶應義塾大学在学中に公認会計士試験に合格し、卒業後は不動産系ベンチャーの取締役CFOを務めた後、2019年に株式会社SoVaを創業しました。現在は代表取締役CEOとしてグループ全体の経営を統括しています。
グループの構成を教えてください。
山本:株式会社SoVaを中核とし、SoVa税理士法人、SoVa社会保険労務士法人、SoVa行政書士法人を展開しています。
ターゲットとなるお客様や取り扱う案件には、どのような特徴がありますか。
山本:顧客は法人に限定しており、創業直後の企業から、従業員50名・売上高10億円以下の中小企業までを対象に、ワンストップでサービスを提供しています。また、比較的難易度の高くない案件に数多く対応することで、業務を仕組み化しています。
資金調達をされていると伺いましたが、これまでの調達状況を教えてください。
山本:VC(ベンチャーキャピタル)から出資を受けており、直近では約4億円、累計では約8億円を調達しています。資金は、システム開発だけでなく、人材採用などの社内体制の強化にも投じています。
開業から約3年で顧問先は1,200社に達し、従業員はアルバイトを含めて約130名となりました。こうした組織づくり・顧客獲得・満足度向上には、AI開発の10倍ほどの労力がかかると感じています。
今後は、IPOを目指して事業を展開していく方針です。
開業から約3年で、かなり成長されていますね。
山本:弊社には「最高かつ最大」という基本思想があり、お客さんにとって本質的に価値のある最高のサービスを作り上げ、それを多くの方々に最大に広げていきたいというコンセプトを掲げています。
出資を受けることは、いわば時間を買うことだと思います。通常であれば長い年月がかかる事業拡大を早め、より早く理想のサービスを実現するために資金調達を行っています。
人材採用はどのように進めているのでしょうか。
山本:私の趣味が採用ということもありますが、弊社では求人媒体や人材紹介会社を利用していない点が特徴です。採用経路は、私が直接声をかけた人材が約40%、社員からの紹介が約30%を占めています。残りの約30%は、私が講師を務める公認会計士試験資格スクール「CPA会計学院」の教え子で、コーポレートサイトから応募してくれています。
公認会計士試験の合格者に限らず、試験の学習経験者や会計実務の未経験者まで幅広く採用しています。現在は、毎月5名ほどが入社しています。
スタッフの特徴や構成を教えてください。
山本:平均年齢は約29歳で、20代を中心とした若い組織です。公認会計士の資格を持つ社員には、監査法人を経て入社した社員もいれば、最近では公認会計士試験の合格後にそのまま入社する社員も増えています。
専門家×テクノロジー 新しいカタチの会計事務所「SoVa」
ここからは「SoVa」について伺います。まず、どのようなサービスか教えてください。
山本:SoVaは、税理士や社会保険労務士など優秀な専門家の思考や対応方法を言語化し、データベース化した「AIシステム」を活用することで、専門業務を仕組み化したサービスです。
この仕組みを設計した背景を教えてください。
山本:専門家は、お客様へのヒアリングを通じて目の前の事象を整理し、「パターンAであればこの対応」「パターンBであればこの対応」と、無意識のうちにパターン認識したうえで判断を行っていると思います。しかし、人の知識や記憶には限界があり、忙しさによって対応が漏れる可能性があります。
そこで、事象ごとに想定されるパターンと最適解をあらかじめ仕組みに組み込み、それに沿って対応することで、サービス品質を安定させられると考えました。

SoVaの仕組み化について語る山本健太郎氏
「SoVa」のコンセプトを教えてください。
山本:もともと弊社内では、SoVaを「会計事務所版ユニクロ」と呼んでいました。専門家の知識や判断を組み込んだ仕組みをもとに、人が行う業務と、AIや自動化ツールで処理する業務を分けることで、品質を保ちながら業務を効率化し、比較的手頃な価格でサービスを提供しています。「この価格で、この品質と内容であれば十分」と感じていただける水準を目指しています。
料金、具体的なサービス内容を教えてください。
山本:現在は月額2万9,800円(税抜)から、会計ソフトへの記帳、給与計算、年末調整、税務署・市区町村・年金事務所・ハローワーク・労働基準監督署などへの各種手続きに加え、オンラインでの税務相談や経営アドバイスまで提供しています。
決算報酬は別途必要で、年間では40万〜50万円程度になるお客様が多いですが、これだけのサービスを含む内容としては、手頃な価格だと思います。
記帳だけでなく、給与計算や各種手続きまで対応されているのですね。
山本:弊社では、税理士法人や社会保険労務士法人が連携し、幅広いサービスを提供できる点が強みです。
会計業務は、どのような体制で対応していますか。
山本:先ほど申し上げたとおり、弊社では、あらかじめ設計した仕組みに沿って業務を進めています。会計業務は約16の工程に細分化しており、スタッフは顧客単位ではなく、各工程を担当する体制となっています。
例えば、第1工程で請求書の登録を1,200社分まとめて行い、完了後に次の工程で費用に関する処理を1,200社分進めます。自動車工場の生産ラインのように、全顧客の業務が工程ごとに順番に流れていきます。製販分離における「製」の業務を、さらに細かく分けたイメージです。
1社に対して、何名ほどのスタッフが関わっているのでしょうか。
山本:会計処理を担うスタッフのほか、質問への回答や必要に応じた提案など、顧客対応を専門に行う担当者もいます。さらに、面談や資料の確認、給与計算、労務手続きといった業務も、それぞれ別の担当者が受け持っています。
サービス全体で見ると、1社のお客様に10〜20名程度が関わることもあります。
公認会計士×エンジニアが築く開発体制
「SoVa」のシステムは、現在どのようなメンバーで開発を進めていますか。
山本:約10〜20名が担当しており、エンジニアは全員が公認会計士試験合格者です。約1,500名の公認会計士試験合格者の中で、50位、20位、上位一桁といった成績を収めた社員も在籍しています。
全員が開発未経験からのスタートですが、優秀なメンバーが多いこともあり、入社後に一通りの会計業務を経験したうえで、開発スキルを身につけています。エンジニアになった後は会計業務と兼務せず、システムの設計を中心に担当しています。
エンジニアを育成するうえで、どのような点を重視していますか。
山本:エンジニアの業務は、大きく設計とコーディングに分けられます。建築に例えると、設計はどのような家をつくるかを考える建築家、コーディングは設計図に沿って家を建てる大工の役割です。以前は、コーディングができなければ開発を始められませんでしたが、AIの登場によって、このコーディングの部分が大きく効率化されました。
そのため現在は、最低限のコーディング知識に加え、事業や業務を深く理解し、必要なシステムを設計する能力がより重要になっています。弊社では、こうしたシステム設計を担える人材の育成に力を入れています。
専門性を掛け合わせることが、強みになるのですね。
山本:例えば、会計実務の経験がないエンジニアに年末調整の仕組みを理解してもらうには、システム開発に入る前に、業務そのものを一から説明しなければなりません。今後は「公認会計士×エンジニア」「会計実務の知見を持つ人×エンジニア」といった人材の希少価値が、さらに高まると考えています。
「SoVa」の業務の仕組みは、どのように設計したのでしょうか。
山本:まず、会計実務に精通した担当者を集め、実際の業務を行ってもらいました。その作業画面を映しながら、分析チームメンバーの4名ほどが「なぜこの操作をしたのか」「なぜこの画面から次の画面へ移ったのか」と、1つずつ質問を重ねていきます。
さらに、「なぜ収益の科目から先に登録したのか」「なぜ受取利息を先に処理したのか」といった判断まで掘り下げていきました。1人につき約2時間の分析を6セットほど行い、それを5〜10人分繰り返すことで、優秀な実務家が無意識に行っている判断基準や作業の順序を言語化し、業務の仕組みへと落とし込んでいきました。
会計実務をシステムに落とし込むうえで、どのようなスキルが求められますか。
山本:最も重要なのは言語化する力です。エンジニアとしての高度な知識やコーディングの技術よりも、業務の流れや判断基準を言葉で整理できる人材が、適していると思います。
現在の仕組みが形になるまで、どれほどの期間がかかりましたか。
山本:約2年です。ゼロからのスタートだったため、優秀な実務家を集めるところに時間がかかりました。また、開発当初の約1年半は、今のようにAIを活用できる環境がなかったため、今から取り組むのであれば、1年程度で形にできるのではないかと思います。

約2年で、現在の仕組みを築き上げられたのですね。
山本:はい。現在の仕組みも一度つくって終わりではなく、継続的な改善が欠かせません。
運用当初は一般的な会計事務所と比べて品質が十分ではありませんでしたが、会計実務の経験者やお客様、実際に業務を担当するスタッフの意見を取り入れながら改善を重ね、開業から約3年間でオペレーションを約9,000回見直してきました。その結果、徐々に精度が高まり、現在ではお客様からのご指摘もあまりありません。
会計業務を行うチームには約40名が在籍しており、業務の内訳は顧客対応と仕組みの改善がおよそ半分ずつです。人数に換算すると、約20名分が仕組みの改善に取り組んでいる計算になります。
工程別の仕組み化で支えるオペレーション
お客様とのやり取りは、どのように行っているのでしょうか。
山本:Slackなどのチャットツールが最初の窓口です。ご質問やご相談が届くと、AIが内容を読み取り、会計・税務・労務などに分類して、担当チームへ振り分けます。回答は、お客様の希望に応じてチャットまたは電話で行っています。電話で対応した内容も録音・文字起こしし、社内データと連携することで、お客様とのやり取りを一元管理しています。
今後は、相談内容の難易度もAIで判定し、対応可能なスタッフへ自動的に割り当てる仕組みを整えたいと考えています。
お客様に関する情報は、どこに集約していますか。
山本:顧客カルテというデータベースで管理しています。面談で伺った内容や収集した資料など、その会社に関するすべての情報を集約しており、顧客カルテを見れば会社の状況を把握できるため、スタッフ個人の記憶に依存しない設計です。
1日に数十社、場合によっては数百社の情報を扱うため、顧客カルテが社内の情報伝達の基軸となっています。蓄積したデータにAIを掛け合わせ、アドバイスを作成するといった活用にも繋げられます。
多くのスタッフが関わる業務の進捗は、どのように管理しているのでしょうか。
山本:社内システムを使い、各スタッフが担当する工程や作業の完了状況を管理しています。担当者が作業を終えるとシステムへ入力するため、各工程が順調に進んでいるか、どこで業務が滞っているかを日次で把握できます。
前の工程が止まると後の工程にも影響するため、ボトルネックとなっている工程には、幅広い業務に対応できるスタッフを支援に充てています。
工程ごとの作業量の管理についても教えてください。
山本:仕組みづくりの初期段階で、各工程にかかる時間をストップウォッチで何度も測定しました。作業が速い人と時間のかかる人の差も含めて計測し、工程ごとの標準作業時間と、難易度によって作業時間がどの程度変動するかを定めています。
現在は、そのデータをもとに、契約数に応じて各工程で必要となる作業時間を自動で算出しています。
そのデータは、どのように活用されているのでしょうか。
山本:例えば、第3工程で新たに180分の作業が必要となり、その工程に対応できるスタッフの稼働時間が不足する場合は、システム上にアラートが表示されます。これにより、翌月に人員不足が見込まれる工程を事前に把握し、それに合わせて人員配置を進めています。
スタッフの成長による作業速度の変化は、人員計画にどう反映していますか。
山本:スタッフが入社時のレベル1からレベル5、レベル10へ到達するまでに、平均で何カ月かかるかもデータ化しています。3カ月後にレベル8のスタッフが不足すると見込まれる場合は、育成にかかる期間から逆算し、その時点で採用を進めます。
採用計画にも反映されているのですね。
山本:こうした予測が外れることもあります。大切なのは、予測が外れるからといって設計を諦めるのではなく、まず仮説をもとに仕組みをつくり、予測と実績に差が生じた理由を検証して修正することです。こうした仮説と修正の積み重ねが、先ほどお話しした約9,000回のオペレーションの見直しにも繋がっています。
記帳業務を支える難易度別のAI活用

記帳代行は、実際にどのような仕組みになっているのでしょうか。
山本:まず、請求書や領収書などの証憑を扱う工程があります。その後の仕訳業務では、収益や費用といった種類ではなく、処理の難易度に応じてランクを付けています。簡単な処理を行う工程があり、そこで処理できなかったものを、次の難易度の工程へ振り分ける仕組みです。
難易度は、何を基準に振り分けているのでしょうか。
山本:例えば、「電力会社への5,000円の支払い」であれば、水道光熱費と比較的容易に判断できます。一方、2行にわたる仕訳や債権・債務の消し込みなどは処理が難しいため、難易度の高いランクに分類します。
記帳代行業務では「何をAIに処理させるか」「何を税理士に確認させるか」「何をAIには触らせないか」という3つの区分を設けています。
比較的処理が容易なものはAIで自動処理し、AIを使わずに自動化できる工程には、GAS(Google Apps Script)などのツールを活用しています。
取引の内容に応じて、AIや人が担う範囲も細かく設計しているのですね。
山本:記帳業務には、科目を判定する処理、債権・債務の消し込みで組み合わせを見つける処理、2行にわたる仕訳、過去の仕訳を参照しながら判断する処理など、複数の種類があります。それぞれについて、どの方法で処理するかを定め、すべて仕組みとして作り込んでいます。
記帳業務では、ほかにAIの活用を考えている部分はありますか。
山本:質問票の作成にも、AIを活用できる余地が大きいと考えています。特に小規模事業者の場合、受け取った証憑だけでは内容を判断できなかったり、必要な証憑がそもそも不足していたりすることがあります。こうした場合に、お客様へ確認すべき内容を整理し、質問票としてスムーズに自動作成できる仕組みを整えたいと考えています。
会計連と共創する次世代の会計業界
一般社団法人 会計事務所連携協議会(以下、会計連)に参画されていますが、SoVaで培ったノウハウを会計業界へ還元する構想はありますか。
山本:はい。きっかけとなったのは、ベンチャーサポート税理士法人の中村真一郎先生が、昨年の税理士サミットで語られていた内容です。「税理士を基軸としてさまざまなビジネスが成り立っており、税理士は本来、総合コンサルタントや総合代理店のような立場を担い、さらに利益を生み出せるはず。最も就職したいコンサルティング事務所になっていてもおかしくないのに、現状はそうなっていない。」という趣旨のお話で、率直にその通りだと感じました。
私はまだ32歳と比較的若いからこそ、挑戦を通じて、この世界観を実現したいと考えています。
実際に会計連の先生方と交流されるなかで、どのような手応えや変化を感じましたか。
山本:会計業界の人間関係の良さに驚きました。当初はマーケットが重なる部分もあり、先生方から警戒されるのではないかと思っていましたが、年齢の離れた私にも知見を惜しみなく共有してくださり、逆にテクノロジーについて尋ねられることもあります。
そうした環境にいると、自分たちだけでノウハウを抱え込むのは違うのではないかと、自然に感じるようになりました。
業界全体を見据えた支援に力を入れる背景にはどのような強い思いがあるのですか。
山本:日本の会計事務所ならではのアイデンティティを大切にしながら、次の世代をつくりたいという思いがあるからです。AIの波に飲まれ、将来、「日本の会計事務所や税理士は消えてしまった」と言われるような状況は、何としても避けたいと考えています。
SoVaの事業を拡大するだけでなく、ほかの会計事務所の発展にも貢献し、会計連の皆さんと一緒に業界全体で勝ちにいきたいです。
具体的には、どのようなものを会計事務所向けに提供していく予定ですか。
山本:顧客データベースを中心に、業務の半自動化や自律化を支援する、会計事務所向けのツールを想定しています。顧客カルテには、顧客企業の会計情報や人員に関する情報などが蓄積されているため、どの会社の業績が伸びているか、人員が増えているかといった状況をデータから把握できます。
例えば、弊社のデータベースでは、「平均給与が高い会社」や「売上が一定額以上の会社」といった条件を指定すると、該当する企業をすぐに一覧で表示できます。顧客データには、まだ様々な活用の可能性があると感じています。
ツールには、どんな機能を連携させる予定ですか。
山本:顧客カルテやチャットシステム、Googleドライブのような機能がAIを介して連携しており、会計事務所の業務全体を支える「ワンセット型」を想定しています。
既存のツールでは、外部からの情報取得に限界があるため、現在自社でチャットツールを開発しています。GoogleドライブやSlack、Chatworkなどの機能を組み合わせたようなツールです。
すでに運用を始めている機能はありますか。
山本:お客様とのやり取りがAPI経由で自動で顧客カルテに反映される機能や、回答文を自動生成する機能の運用を今月から始めました。ただし、お客様から寄せられる質問は多岐にわたるため、現時点でAIだけで回答を作成できる範囲は限定的です。AIだけでは回答を作成できない質問については、「この内容を聞かれた場合は、どのように回答するか」というルールを1つずつ設定しながら、対応できる範囲を広げています。
今後の提供方針を教えてください。
山本:会計実務を理解している会計事務所向けに、専門的なパッケージという形で提供していきたいと考えています。そのためには、まずは自分たちで運用を重ね、成果を実証することが先だと思っています。
今後さらに顧問先が増えても安定して運用できる状態をつくったうえで、実績に裏付けられた会計事務所のオペレーションとして、ほかの事務所にも提供したいです。
AI時代に描くSoVaと会計事務所の未来
SoVaグループの今後の目標や展望を教えてください。
山本:まずは日本国内で、大手と呼ばれる規模まで事業を拡大していきたいと考えています。
その先には、AIと会計事務所業務を掛け合わせた新たな「AI×アカウンティング」のモデルを、日本から生み出すという目標があります。AI×アカウンティングは、世界的にも注目度の高い分野です。将来、海外のサービスが日本へ参入した際にも、日本の会計業界が十分に対抗できる基盤を築いていきたいと考えています。
AI時代における会計事務所の今後については、どのように考えていますか。
山本:AIが普及しても、税理士や会計事務所の価値は失われるどころか、むしろ高まっていくと思います。
一方で、新しいAIツールが登場するたびに試したり、ほかの事務所の活用事例を追いかけたりと、今年は業界全体が少し浮ついていたようにも感じます。業務の効率化や仕組み化については、半年から1年、遅くとも2年以内には、いずれかの企業が一定の答えを示すはずです。優れた仕組みが生まれた段階で、それを取り入れていけばよいのではないでしょうか。
それ以上に重要なのは、「自分たちの事務所は何を強みにするのか」「お客様のために何を提供するのか」という原点に立ち返ることです。
各事務所が、自分たちならではの価値を見つめ直すことが重要なのですね。
山本:SoVaは、先ほど申し上げたとおり「会計事務所版ユニクロ」を掲げ、手頃な価格で多くのお客様に一定水準以上のサービスを届けることを目指しています。一方で、少数のお客様に、より手厚く高付加価値なサービスを提供する事務所も必要です。ユニクロとエルメスが共存するように、会計事務所にもさまざまなスタイルがあってよいと思います。
AIによって生まれた時間を使い、自分たちの事務所ならではの「色」を見つけることが大切です。
AIが普及するなかで、お客様が会計事務所に求めるものは、今後どう変化していくと考えていますか。
山本:例えば、業界経験20年の税理士が一つひとつ仕訳を行う場合と、AIが自動で処理する場合では、私たちには後者の方が先進的に見えるかもしれません。しかし、お客様にとっては、経験豊富な税理士に丁寧に処理してもらう方が、安心に繋がることもあります。
AIは、あくまでも良いサービスを提供するための手段であり、使うこと自体が目的ではありません。AIを使わずに良いサービスを提供できるのであれば、無理に取り入れる必要はないと私は考えています。
だからこそ、お客様にどのような価値を提供し、これまで以上に何ができるのかを考えることが、今後の会計事務所にとって最も重要だと思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
参加者プロフィール
- 山本 健太郎 氏
- 株式会社SoVa 代表取締役CEO
慶應義塾大学在学中に公認会計士試験に合格。卒業後は不動産系ベンチャー企業の取締役CFOを経て、2019年に株式会社SoVaを設立。現在は、専門家とテクノロジーを掛け合わせた新しいカタチの会計事務所「SoVa」を展開し、税務・労務などのバックオフィス業務をワンストップで支援している。2023年には、Forbes JAPAN誌が発表した「30 UNDER 30 JAPAN 2023」の「世界を変える30歳未満120人の日本人」(BUSINESS & FINANCE & IMPACT部門)に選出。さらにCPA会計学院で講師を務めるほか、2026年からは一般社団法人 会計事務所連携協議会(会計連)に参画し、会計業界の発展にも取り組んでいる。
企業情報
- 項目
- 詳細
- 企業名
- 株式会社SoVa
- 代表者
- 代表取締役CEO 山本 健太郎
- 設立
- 2019年
- グループ構成
- 株式会社SoVaを中核に、SoVa税理士法人、SoVa社会保険労務士法人、SoVa行政書士法人を展開
- 顧問先・従業員
- 顧問先1,200社、従業員約130名(アルバイトを含む/平均年齢約29歳)
- 事業内容
- 会計事務所「SoVa」の運営。会計ソフトへの記帳、給与計算、年末調整、税務署・市区町村・年金事務所・ハローワーク・労働基準監督署などへの各種手続き、オンラインでの税務相談・経営アドバイスをワンストップで提供
- 料金
- 月額2万9,800円(税抜)〜(決算報酬は別途)















