
会計事務所を取り巻く環境は今、急速な変化の波に晒されている。深刻化する人材不足、多様化する顧問先のニーズ、そしてAI技術の進展は、従来の業務管理のあり方を根本から問い直している。本記事では、会計事務所向けに特化した業務管理ツールを提供する4社のトップが集結。自社サービスが生まれた背景にある開発思想や目的、「うまく使いこなしている事務所」が持つ共通点、そしてAI時代において「何を削り、何に注力するのか」という未来のビジョンについて、率直に語り合った。

- 左から 株式会社フローリー 代表取締役 大須賀清隆様(FLOW)
- 株式会社名南経営ソリューションズ 代表取締役社長 浅井克容様(マイコモン)
- 株式会社TKC 執行役員 白井義也様(OMS)
- 株式会社エフアンドエム 事業部長 江幡達也様(会計事務所の業務 with kintone)
自己紹介
まず自己紹介を、大須賀さんからお願いします。
大須賀(FLOW):株式会社フローリー代表の大須賀と申します。2024年11月に、前職の株式会社ココペリから税理士・社労士事務所向け業務管理ツール『FLOW』をMBO(経営陣による買収)という形で承継し、独立しました。現在は約70社の会計事務所にご利用いただいており、製販分離を進めたい事務所向けに、業務管理ツールの提供と導入・運用のご支援を行っています。
浅井(マイコモン):株式会社名南経営ソリューションズの浅井と申します。私ども名南経営グループは、ご存知の通り普通の税理士事務所です。なぜ私どもが『マイコモン』というサービスを提供しているのかとよく聞かれるのですが、元々は名南経営が自社で使うために開発したものなんです。現場で抱えていた様々な課題を解決するために作り込んできたシステムがベースとなっており、それを他の事務所様にもご活用いただけるのではないかということで、サービス提供を始めました。
白井(TKC):株式会社TKCの白井と申します。TKCは税理士向けにソフトウェアを提供しており、私は主に会計事務所向けシステムの開発を担当しております。本日は、弊社の『OMS(オフィス・マネジメント・システム)』が業務管理ソフトに該当しますので、その点についてご紹介させていただきます。
江幡(F&M):株式会社エフアンドエムの江幡と申します。弊社は個人事業主様の確定申告記帳代行から法人向けコンサルティングまで、幅広い業務を展開しております。今回お話しする『会計事務所の業務 with kintone』は、7年ほど前に業務効率化を目的として開発したサービスで、サイボウズ社が提供するkintoneをベースに、会計事務所向けにパッケージ化したアプリを開発し、提供しています。
サービスの機能概要

では、各サービスの機能紹介をお願いします。
大須賀(FLOW):主な機能は、大きく3つあります。1つ目が、業務ごとの作業手順を標準化できるワークフロー機能、2つ目が顧客ごとに情報を整理できる顧客管理機能、3つ目が「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているか」を可視化する工数管理機能です。タスクは自動作成され、個人がタスクを完了するだけで全ての進捗表が自動的に更新、12か月分の記帳代行の進行状況も一覧で把握できます。

浅井(マイコモン):マイコモンは会計事務所の生産性向上を支援するクラウドサービスです。会計事務所の現場で必要とされる機能をシステム化し、総合的に提供しているサービスです。一般的なグループウェアに加え、税務・会計に関する情報コンテンツ、教育用ツールや動画、コンサルティング支援ツール、実務相談サービスなど、現場の担当者が抱える課題を解決するためのメニューをパッケージとして提供しております。

白井(TKC):OMSの範囲は非常に広範ですが、最大の特長は、税務システム及び会計システムとの完全連動です。CDB(関与先基本情報データベース)と呼ぶマスターデータが一元管理され、税務・会計の申告・申請・届出データが常に最新の状態で利用できます。データの散逸を防ぎ、グループウェアとの連携性においても強みを発揮していると考えております。

江幡(F&M):弊社が提供する「会計事務所の業務 with kintone」は、機能的にはマイコモンやOMSと近い部分もあります。kintoneの特長である優れたアプリ間の情報連携機能を活かし、一元管理をテーマに設計しております。最終的には全ての情報が顧客マスタに集約され、面談履歴や進捗管理などの付随情報も一箇所で管理できる、シンプルで分かりやすい仕様となっております。

サービスの思想・目的
サービスの思想・目的や、開発当初にどんな課題意識を持って作られたのですか?
大須賀(FLOW):FLOWはもともと株式会社ココペリが社内の経理代行業務を管理するために自社開発したツールです。当時は別のツールを使っていましたが分業体制の中で「誰が」「どの顧客の」「どの工程を」「どれくらい抱えているのか」、それぞれの案件が「今どのステップまで進んでいるのか」を、もっと細かく正確に把握したいというニーズが強く、既存ツールではそこがどうしても管理しきれませんでした。そこで、各工程ごとのタスクをきちんと管理できる専用ツールとして、FLOWの開発に踏み切りました。
開発思想を一言でまとめると、「CRMと製造管理・工程管理を組み合わせた業務管理ツール」です。面談議事録や対応履歴、各種情報といったCRM(顧客関係管理)の側面に加え、「どの仕事がどこまで進んでいるか」「誰がどの工程でいくつの仕事を抱えているか」といった工程管理の側面、さらに工数や報酬といったコストを踏まえた生産性分析の側面までを一体で扱えるように設計しています。
浅井(マイコモン):マイコモンの開発当初の最大の課題は「情報共有」でした。お客様に関する情報、これは税務会計情報だけでなく、経営者の考え方、事業内容、ご家族の構成に至るまで、あらゆる情報が会計事務所にとって最大の財産だと考えています。これを事務所として共有して蓄積していきたいというのが開発の原点です。それまでは担当者しか把握していなかった顧客情報を上司はもとより事務所全体で共有したり、担当変更があってもお客様に迷惑をかけることなく引き継ぐことが課題でした。こうした情報を属人的ではなく、組織全体で共有・蓄積していくシステムの構築が最初の目標でした。
白井(TKC):OMSは、TKC会員による事務所経営を「成功に導くプラットフォーム」として位置づけています。1万人を超えるTKC会員それぞれの成長ステージに合わせてアシストすることを方針としています。新規入会された方々がTKCのビジネスモデルに早期に適応し、ビジネスとして成功していただけるよう、豊富なテンプレート、ベストプラクティスを移植したフレームワークを用意しております。
江幡(F&M):弊社のkintoneのワンパッケージ提供は、元々運営している「経営革新等支援機関推進協議会」という、会計事務所の収益化を目的としたサービスが起点です。補助金支援、財務支援、事業承継支援を展開していましたが、収益化以前の問題として、会計事務所内の環境が整っていないという課題がありました。情報がバラバラに管理され、担当者によって対応内容も異なる。この状況では収益化施策も機能しません。そこで情報を一元管理することを目的に、kintoneをベースに我々がカスタマイズしたアプリで利用を開始してもらおうという形でスタートしました。kintoneを選んだ理由は、自社で使用していて利便性を実感していたことと、優れたカスタマイズ性です。
どんなタイプの会計事務所にフィットするか
どのようなタイプの会計事務所に最適だとお考えですか?
大須賀(FLOW):FLOWの場合、大きく2つのパターンがあると考えています。1つは、入力業務などの「分業」や「製販分離」を本格的に進めたい事務所さん。もう1つは、経理代行などの新しい業務を展開していきたい事務所さんです。こうした新しい取り組みを始めると、どうしても案件ごとの管理表が乱立して、全体の管理が煩雑になりがちですよね。FLOWはそれらを一つの基盤でシンプルに管理できるよう設計しています。これから組織体制を変えていきたい、あるいはサービスを広げていきたいと考えている事務所さんには、最も効果を発揮しやすいツールだと言えます。
製販分離を進める会計事務所が増えていますね。
大須賀(FLOW):そうですね。リモートワークでの採用ニーズが高まっていることや、経験のある人材を採用・定着させることが難しくなっていることもあり、「いかに記帳業務の負荷を軽くするか」というご相談は確実に増えています。一番多いのは、所内に記帳チームを立ち上げるケースです。FLOWは、こうした製販分離を前提とした体制づくりを、業務の見える化と工程管理の面から支えるツールだと位置づけています。
浅井(マイコモン):そもそも税理士業務は一人でも完結できてしまう、本質的に属人的な仕事です。放置すれば、担当者本人しか情報を知らない、隣の席の人が何をしているか分からない状態になりがちです。しかし、属人的な業務を組織化したい、ある顧問先で起きた問題を他の顧問先でも未然に防ぎたい、担当者が変わっても問題なく業務を継続したい、Aさんの提案内容をBさんも実施できるようにしたい、といったチームプレイ、組織的な運営を目指す事務所にはマイコモンを強くお勧めしたいですね。
白井(TKC):ターゲット規模で言えば、TKCに入会した会計事務所全てにご利用いただいていますので、開業間もない事務所から大規模の税理士法人までの全規模が対象となります。ここ数年は大規模事務所でも快適にご利用いただけるよう機能開発を進めましたので、評価いただけています。
江幡(F&M):弊社も皆さんとほぼ同じで、業務の標準化やテレワーク対応を希望される事務所が中心です。kintoneの良さはカスタマイズ性です。例えば新しい税制が新設された際、それを管理したいと思っても専用システムがない。そこでkintoneなら独自に作成できる。こうした柔軟性を求め、使用目的が明確な事務所にはフィットしやすいですね。規模はバラバラで、最大で60名程度の事務所までご利用いただいています。
導入して成果が出ているユーザーの共通点
導入して成果が出ているユーザーの共通点や、うまく活用している事務所の特徴を教えてください。
大須賀(FLOW):導入効果が特に大きく出るのは、20名以上の事務所さんですね。製造チームと監査チームが別拠点にあるなど、組織が大きくなり拠点が分かれるほど、チーム間の連携ミスが起きやすいため、FLOWによる可視化の効果を実感していただきやすいんです。一方で、より小規模な事務所さんでも、「クラウドワーカー」や「外部パートナー」を活用されている場合は、まったく同じ課題を抱えています。そういった場合、システムを入れる前に、「誰がどの窓口で依頼を受けるか」「どのタイミングで引き渡すか」といったルールを私たちと一緒に策定し、その流れをFLOW上に設計して納品します。「まずルールを決め、それをシステムに落とし込む」ことが大切かなと思っています。
浅井(マイコモン):成果が出ているユーザーの共通点についてですが、私どもは「徹底的に成果が出るまでサポートする」という方針を掲げています。契約は終わりではなくスタートであり、いかにマイコモンを活用して成果をだしていただくかが重要だと考えているからです。ですので導入いただいた事務所には徹底的サポートし、成果も出ています。しかしサポートを申し出ても「自分でやるから来なくていい」と、サポートの機会をいただけず、結果として活用が進まず利用が終わってしまうケースもあり、我々としては、とても残念に思うこともあります。
白井(TKC):どんな規模やタイプの事務所でも成功事例はございます。TKCシステムをフルで活用いただくと、より一層効果が高まります。部分的な利用では、データの自動更新などの機能が活かせなくなってしまいますので、オールTKCでご利用いただくことで最大のメリットと効果が得られると考えております。
江幡(F&M):繰り返しになりますが、kintoneの最大の強みはカスタマイズ性です。操作に慣れてkintoneの仕組みを理解すると、自分たちでアプリを作成できるようになります。実際に活用されている事務所を見ると、独自のアプリをどんどん開発されています。インボイス管理表、相続税の進捗管理、贈与税の進捗管理など、私たちが作っていないアプリを次々と生み出しています。それが相乗効果となり、情報の一元管理がさらに進んでいく。このように、楽しみながら使っている事務所では、成果が着実に出ていると感じています。
各社ユーザー数はどれくらいですか?
江幡(F&M):現在50社程度です。正直、あまりマーケティングに力を入れられていないというのが実情です。ただ、kintone自体の知名度が高いため、そこから自然に流入があることは、良い状況だと捉えています。
浅井(マイコモン):マイコモンは現在3,200事務所程度です。おかげさまで毎年200事務所程度のペースで増えて行っています。
白井(TKC):基本的には、TKCに入会されると、必ずOMSを導入いただいておりますので、会員数と同じ、1万事務所です。
他社と違う設計思想
何を優先して何をあえて削っているのか、設計思想を教えてください。
大須賀(FLOW):弊社はカレンダー機能や一般的なグループウェア機能は、あえて搭載していません。相談頂いた場合はGoogleをお勧めしています。FLOWは、顧客情報と作業工程を一元管理し、製造業務を見える化する「顧客・業務管理」に特化しています。それ以外は他ツールとの連携で補うというのが現在の方針です。
浅井(マイコモン):我々も絶対に作らないと決めているのが会計ソフトや申告ソフトです。年末調整システムも作ってほしいと要望されますが、各社申告ソフトと連動できるようにしますから、そちらで対応してくださいという形でお願いしています。
白井(TKC):我が社は基本的にはフルラインナップ戦略ですので、全方位に対応していますが、その分不足している部分もあるかと思います。現在、API連携を拡充していこうと考えています。WebAPIをパートナー企業と共に公開し、連携を進めていく方向です。まずは弊社の会計システム(FXクラウド)を経費精算システムや勤怠管理システムなどとAPIで綺麗に連携できるように開発を進めています。
江幡(F&M):私たちの初期パッケージは、意図的にベースをシンプルな設計にして、自由度を高められる仕様にしているのが特徴です。kintoneは導入のハードルが高いという課題がありましたので、導入初日から使っていただける形でサービス展開しております。
導入時に最も重視している支援・サポートの考え方
導入時に最も重視しているサポートの考え方を教えてください。
大須賀(FLOW):業務管理システムは、使い続けていただいて初めて価値を発揮します。そのため、実際に"管理の基盤"として定着させるための導入サポートには、かなり時間をかけています。一方で、現在お使いのツールや運用で十分に解決できる場合には、その旨を率直にお伝えします。導入サポートに数十時間かかるケースも少なくないため、今の体制や運用と既存ツールの相性が良い場合には、あえてご契約をお勧めしないこともあります。
浅井(マイコモン):やはり事務所によって課題は異なります。それぞれの事務所の課題や状況、どうしたいのかを丁寧に聞きながら、それならマイコモンをこう活用すると良いのではないかと提案しますし、場合によっては他社の方が適しているのではないかとお話しすることもあります。また、導入後は何度も訪問します。これは一切料金をいただいていません。北海道だろうが沖縄だろうが、飛行機で飛んでいってサポートを徹底して取り組んでいます。使っていただいて初めて価値を提供できると考えていますので、軌道に乗せるまでのサポート支援こそが最も重要だと考え、その活動を重視しています。
白井(TKC):弊社では、コンサルタントが必ず各事務所に1名担当として付きます。全国56拠点に常駐しており、毎月1回以上訪問して、その事務所のお悩みに対してソリューションを提供しています。また、会員組織がありますので、会員同士の勉強会や事務所見学会などで教え合うという形でも支援が行われています。さらに、HDI(サポートサービス業界の国際的な認定機関)の格付けで三つ星を取っている300人規模のコールセンターがありますので、多方面でサポートする形で、万全の体制を構築しています。
江幡(F&M):kintoneのサービスに関しては、設定マニュアルやアプリの作り方などは、全てサイボウズのサイトで揃っていますので、私たちがサポートする必要がないのが現状です。相談があるとすれば、事務所としてどのようにkintoneを活用すれば良いかという戦略面での相談です。そこは長年お付き合いのあるセブンセンス株式会社様に引き継ぐようにしています。
AIを業務管理ツールにどう活用していくか
現時点で業務管理ツールにAIをどう活用できるとお考えですか?
大須賀(FLOW):色々と試行錯誤をしましたが、顧客情報を安全かつ再現性高く扱える形でAIを実装するのは、現時点の技術水準とコスト感を踏まえると時期尚早だと判断しています。現状、OCR(文字認識)、リサーチ、要約といった領域はAPI連携で十分に価値を出せると考えており、そこから実装を進めています。工数の異常値分析などもAIでテストしましたが、現場で運用するにはブレ幅が大きく、今はシステム上のしきい値とアラートの方が、シンプルで分かりやすいレポートになると考えています。現場の税理士の方に安心して使っていただけるレベルまで磨き込んでからリリースしたい、というのが現在のスタンスです。
浅井(マイコモン):AIは私自身も頻繁に活用していますし、この業界でももっと積極的に使うべきだと考えています。積極的に使っている事務所と全く使っていない事務所とで、かなり差が開いてしまっているため、もっとAIを身近に使えるものにしていく必要があります。例えば面談記録をAIが聞き取って報告書にまとめてくれる。お客様との面談内容から自動的にTo Doが生成される。決算申告のチェックリストも、AIがそれぞれの顧客に合わせたチェックリストを作成してくれる。こういったものを今後1年以内に12個程度は実現しようと取り組んでいます。マイコモンでボタンを押せばAIが動く、そういったシステムを作っていきたいですね。
白井(TKC):弊社が提供するシステムにAIをどう活用していくかについては、2つの軸で考えています。1つは、会計事務所が人員確保に苦労している中で、生産性向上にAIをどう活用できるか。もう1つは、会計事務所から顧客へ提供するサービスの付加価値をいかに高めていくか。この2軸でどう展開できるかを検討しています。直近で提供予定なのは、OMSのスマートフォン版アプリでの議事録要約機能で、そのままワンタップで巡回監査報告書や日報に登録できるものです。また、相続税の預金通帳にAI-OCRをかけて、預金の動きを可視化する機能なども早期にリリース予定です。
巡回監査報告書をAIにかけて、1年間の流れや現状をまとめて可視化できたら、非常に便利ですね。
白井(TKC):日報、スケジューラ、巡回監査報告書、さらに財務データも含めてサマリーとして、訪問前や決算報告会に確認できるようにする機能も、年内にパイロット版を提供する予定です。守秘義務の担保については、非常にセンシティブに考えています。データセンター内で実行するなど、その点は十分に配慮して進めています。
江幡(F&M):会計事務所の先生方は、AIをRPAのように捉えている感覚が結構強いように感じます。業務を勝手にやってくれるロボットというイメージですね。単価の低い業務にAIを使うよりも、今までできなかった付加価値の高い業務にAIを活用していくべきだというのが私の感覚です。例えばMAS業務など、思考力が求められる領域は、正直もう人間よりAIの方が優れていると思っています。AIで今までできなかったことができるようになる、それをさらに標準化できるのがAIの強みだと考えています。
各社が描く次の5年のビジョン
最後に、次の5年のビジョンを教えてください。
大須賀(FLOW):AIをはじめとする技術革新によって、5年後には今よりも業務管理の"見える化"自体の比重は下がり、より自動化された世界になっていると考えています。そのときFLOWが今と同じ形で存在しているとは限りません。ただ、どのような形になっても、「現場の方が困っていることを解決し、分業体制でもスムーズに仕事が流れる状態をつくる」という役割は変わりません。業務管理のハードルが上がり、分業体制構築の相談も増えている今は、とくに"最も管理しやすく、事務所の皆さんにとって働きやすい環境"を実現するための機能開発に集中していきたいと考えています。
浅井(マイコモン):我々のミッションであり最終目的は、「会計業界に革新を、中小企業に未来を、人々に笑顔を」です。私たち自身も税理士事務所です。その立場で、現場の課題や悩みを解決していく。会計事務所の生産性と効率を高め、サービスの幅・質を向上させ、結果として中小企業にもっと成長・発展していただくのが最大の目的です。マイコモンは開始から25年経ちますが、提供内容は当初と全く異なります。会計事務所や中小企業の現場ニーズの変化に伴い、自然とサービスも変わってきたからです。5年後は全く違うことをやっているかもしれません。
白井(TKC):私たちTKCは「顧客への貢献」という、60年間変わらないミッションに向かっています。業務管理システムについては、開発当初から業務品質と生産性の向上を目指してきました。これに加えて、コンプライアンスと税法完全準拠を外していません。OMSを導入すれば、税理士法の順守はもとより、「税理士事務所等の内部規律及び内部管理体制に関する指針(日税連)」への対応も含め万全です。生産性と品質に加え、コンプライアンスとセキュリティという柱で安心感を提供したいと考えています。
江幡(F&M):弊社は今後もkintoneの提供に力を入れていきます。5年後は読めませんが、確実に言えるのは、AI投入で業務効率化が進み、会計業務の単価は絶対に下がっていくと予想されることです。この変化に悲観するのではなく、少し先を見据え、顧客とのコミュニケーション強化や職員のヒューマンスキル向上など、今からできることを私たちが会計事務所の方々に啓蒙していくべきだと考えています。これを支援するにあたり最も重要なのは、顧客データを一元管理し、どの顧問先が何に困っているかを常に把握できる状況にしておくことです。そのために、マイコモン、OMS、FLOW、あるいは我々のkintoneシステムなど、事務所に合った業務管理の仕組みを構築していただきたいと思っています。
参加者プロフィール
- 大須賀 清隆 様
- 株式会社フローリー 代表取締役
2011年アックスコンサルティングに入社以来13年間士業支援に携わる。その後、株式会社ココペリでは効率化、生産性向上をメインに支援を行う。2024年11月から株式会社フローリーの代表取締役として、税理士事務所に特化した業務改善支援と業務管理ツール"FLOW"を提供している。累計支援実績120事務所以上。 - 浅井 克容 様
- 株式会社名南経営ソリューションズ 代表取締役社長
名南経営ホールディングス取締役、株式会社名南ネットワーク代表取締役を兼任。名南経営グループの一員として、主に全国の会計事務所の業務効率化と生産性向上を支援する事業を統括。自社で抱える課題解決のために開発した士業向けクラウドサービス『MyKomon』の提供を通じ、「会計業界を革新することで中小企業の未来へ貢献し人々を笑顔にすること」を目指している。 - 白井 義也 様
- 株式会社TKC 執行役員 システム開発研究所 第三システム開発センター長
TKCの税理士向けソフトウェア事業において、主に会計事務所向けシステム(OMS)の開発責任者を務める。システム開発から導入、運用・保守まで一貫して携わり、「税務システム及び会計システムと完全連動する業務管理プラットフォーム」の提供を通じて、「顧客への貢献」をシステム面から支援している。 - 江幡 達也 様
- 株式会社エフアンドエム 士業コンサルティング事業本部 事業戦略室 マーケティング事業部 事業部長
新卒入社後、記帳代行セクションで年間約1,000件の顧客の支援に携わり、その後部署を異動。9年間で累計1,000件の事務所の収益化と業務効率化の支援に携わる。また、経営革新等支援機関のスタッフとして40社の補助金支援と即時償却の資料作成、会計事務所向けにkintoneのパッケージ製品の開発などさまざまな業務にも携わっている。
企業情報
株式会社フローリー
- 企業名
- 株式会社フローリー
- 所在地
- 〒111-0032 東京都台東区浅草1-13-5 井門浅草すしや通りビル BIZcomfort浅草内
- 設立
- 2024年7月1日
- 代表者
- 代表取締役 大須賀 清隆
- 事業内容
- 株式会社フローリー(FLOWERY Co., Ltd.)は「FLOW」の事業を株式会社ココペリから引き継ぎ、士業事務所、特に税理士事務所向けサポートを中心に運営しています。
株式会社名南経営ソリューションズ
- 企業名
- 株式会社名南経営ソリューションズ
- 代表者
- 代表取締役 浅井 克容
- 所在地
- 本社:愛知県名古屋市中村区名駅1-1-1 JPタワー名古屋34F
東京事務所:千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビル17F
大宮事務所:さいたま市大宮区宮町1-114-1 ORE大宮ビル3階
大阪事務所:大阪市北区堂島浜1-2-1 新ダイビル24F
福岡事務所:福岡市博多区博多駅南1-2-2 博多1091ビル3F - 設立
- 2002年10月
- 資本金
- 1億円
- 従業員数
- 117名(2025年4月1日現在)
- MyKomon会員数
- 3022件(2024年9月現在)
- 事業内容
- 税理士・会計事務所向けITソリューション、経営コンサルティング等、会計事務所向け生産性向上サービス(MyKomon)
TKC株式会社
- 企業名
- TKC株式会社
- 所在地
- 栃木県宇都宮市昭和1-2-20
- 設立
- 1971年11月1日
- 代表者
- 代表取締役社長 角 一幸
- 事業内容
- 税理士、会計事務所向けシステム・サービスの開発・提供 等
株式会社エフアンドエム
- 企業名
- 株式会社エフアンドエム
- 所在地
- 〒564-0063 大阪府吹田市江坂町1-23-38 F&Mビル
- 設立
- 1990年7月
- 代表者
- 代表取締役社長 森中一郎
- 事業内容
- 個人事業主及び小規模企業向け会計サービス
中堅中小企業向け管理部門支援サービス(エフアンドエムクラブ)
中堅中小企業向け財務・補助金支援サービス
会計事務所向け支援サービス(経営革新等支援機関推進協議会/TaxHouse)
社会保険労務士事務所向け支援サービス(SR STATION)
ISO・Pマーク認証取得支援サービス
パソコン教室
アラカルト型 人事労務クラウドソフト(オフィスステーション)
経営革新等支援機関関連業務
講師派遣型研修サービス















