資金調達に強い税理士の選び方
2025/04/15

- 資金調達に強い税理士の特徴
- 税理士に依頼するメリット
- 資金調達の依頼にかかる費用
これから起業しようと考えている方や現在の事業を拡大していきたい方など、会社を経営される方にとって資金調達は重要です。資金調達といっても多くの方法があり、どの方法が最適かは企業の状況によって異なります。そのため、資金調達を成功させるために税理士へ依頼をおすすめしています。税理士に依頼することのメリットや依頼する税理士の選び方などをご紹介します。
資金調達に強い税理士の特徴
資金調達を成功させるためには、資金調達に強い税理士を選ぶ必要があります。実は税理士には得意分野・不得意分野があります。税理士だからといって、資金調達が得意とは限らないため注意してください。
資金調達の経験・実績がある
資金調達に強いとされる税理士は、資金調達の経験や実績が豊富です。経験や実績がある分、資金調達についての知識やスキルがあるといえます。
依頼を検討する税理士がいる場合は、その税理士が過去に携わった融資や補助金・助成金等について、受給申請がどれくらい通っているのかを確認したり、税理士本人に過去事例を聞き出したりしておくと安心して依頼することができます。
経済産業省の「経営革新等支援機関」の認定を受けている
「経営革新等支援機関」とは、経済産業省が専門知識、実務経験が一定レベル以上あると認定した税理士や公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関などを支援するための機関です。
「経営革新等支援機関」に認定されている税理士に依頼することで受けられるメリットがあります。
融資でのメリット
信用保証協会の融資を利用する場合に、保証料が0.2%の減額を受けることができます。
また、日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」の融資を利用を検討される場合、認定経営革新等支援機関の指導や助言を受けるという条件がありますが、その条件をクリアできます。
補助金申請の支援
ものづくり補助金、事業承継・引継ぎ補助金、事業再構築補助金の申請の支援を受けられます。
税制優遇制度の利用が可能
先端設備等導入計画(固定資産税の優遇)、事業承継税制(相続税や贈与税を猶予)の利用が可能となります。
経営改善計画作成で費用の補助
経営改善計画を作成することで、依頼した専門家(経営革新等支援機関)への支払いの3分の2を国が補助してくれます。
会社経営・自社の業界業種に精通している
資金調達をした際に、方法によっては負債を負うことや税金がかかることがあります。そのため、単に資金調達をして終わりではなく、その後の資金繰りを考えなければなりません。その際に、会社経営や自社の業界業種に精通している税理士である方が適切だといえます。
金融機関での勤務経験あり
融資を検討している場合は、銀行などの金融機関での勤務経験がある税理士へ依頼がおすすめです。このような税理士であれば、融資の際の金融機関側の基準や確認のポイントを理解しているため、より的確なアドバイスや必要書類の作成が期待できます。
税理士が所属する事務所の公式サイト内の税理士のプロフィールなどで確認する方法や、事務所に直接問い合わせることで確認ができます。
ほかの士業との連携あり
資金調達の方法によっては、ほかの士業へ依頼しなければならないことがあります。その際に、ほかの士業との連携がある税理士であればスムーズに進めることができます。
説明がわかりやすく、信用できる
資金調達をするにあたり、税理士が自社に最適な方法を選択した際にその理由や説明が理解できるものであるかは重要です。資金調達をするということは少なからずリスクが生じるため、信用できる税理士に依頼し、資金調達を成功させてください。
資金調達の方法
一般的な資金調達の方法は、融資や補助金・助成金となりますが、ほかにもいくつかあります。どの方法を選ぶべきかについては、それぞれの状況ごとに異なるため、税理士と相談して決めてください。
民間の金融機関からの融資
銀行や地域の信用金庫などの民間の金融機関から融資を受ける方法があります。この方法は、種類が2つあり、プロパー融資と、信用保証協会に保証人になってもらう「信用保証付き融資」です。「信用保証付き融資」の方が融資を受けやすいですが、保証協会との面談と保証料が必要です。民間の金融機関では、ある程度の利益がないと融資を受けることができないため、ハードルが高いといえます。一方で、民間の金融機関は支店が多くあり、すぐに相談がしやすいことや信頼があれば多くの融資を受けられる可能性があるというメリットがあります。
日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫は、国が全額出資する公的な金融機関です。中小企業の支援を目的としているため、起業してすぐの企業や個人事業主などの、民間金融機関では資金調達が難しい企業に低金利で融資を行っています。また、個人事業主を含めた創業者向けて、創業時に無担保無保証で融資を受けられるという制度を設けています。
補助金・助成金
国・地方自治体、民間団体等が提供している制度を利用する方法です。条件をクリアし、審査に通ることができれば補助金・助成金を受け取ることができます。多くの場合で返金不要の給付金とされていることも魅力です。ただし、給付期間が決まっている場合や報告義務がある場合もあるため、利用するにあたり条件をよく確認してください。また、このような補助金・助成金を受け取りたい場合は、定期的に国・地方自治体、民間団体等の公式サイトをチェックしましょう。
ベンチャーキャピタル(VC)
ベンチャーキャピタルとは、機関投資家からの資金を上場したいベンチャー企業へ投資をするファンドのことです。将来的に上場企業として成長の可能性がある企業であれば、ベンチャーキャピタルを受けることが可能です。資金の返済義務はなく、出資した機関投資家が会社の株式を保有します。そのため、企業の意思決定に関して出資した機関投資家が意見を述べる可能性もあります。
クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、企業がインターネットで資金を集める方法です。事業内容に賛同した個人投資家が企業に出資をします。基本的には返金不要で、新しいサービス・商品等の場合は事前にファンを獲得した状態でスタートすることができます。ただ注意点として、出資してもらった資金は課税対象となります。また、目標額に達さない場合に不成立となり、資金を全額返金する必要があります。
資産の現金化
現在保有している不動産などの資産を売却して、現金化する方法です。もともと保有している資産を現金化しただけであるため、返金の必要がないという点や企業の信用度に左右されずに資金調達ができるという点がメリットです。一方で、保持していた資産を手放すこととなる上、売却時には業者に手数料を支払いがあるため、その分の売上利益が減ります。
ノンバンクからの融資
ノンバンクとは、貸金業規制法に基づき、融資を主な業務とする金融機関で、通常の銀行業務を行わないという特徴があります。ノンバンクの融資の審査は、緩く、融資が受けやすいです。しかし、金利が高く返済が難しくなる可能性が高いです。さらに、ノンバンクからの融資を受けることでほかの金融機関からの信用を損なうこともあります。ノンバンクからの融資を受けることは大変リスクが大きいため、独断で判断せず、必ず税理士へ相談してください。
税理士に依頼するメリット
資金調達を税理士に依頼するメリットについて紹介します。
必要書類の作成のサポート
資金調達に必要な書類は、資金調達の方法によりさまざまですが、事業計画書や創業計画書、決算書などが必要なケースが多いです。税理士のアドバイスやサポートを受けることで、重点をおさえた書類が作成でき、資金調達がしやすくなります。
最適な方法で資金調達ができる
上記で述べた通り、資金調達にはいくつもの方法があります。どの方法が適しているのかは、各企業それぞれ異なります。もし資金調達の方法を間違えてしまった場合、資金調達が失敗するだけでなく、事業にも影響がでることも考えられます。
税理士に依頼することで、そのような失敗を避け、より最適な方法で資金調達を安心して行うことができます。
資金調達を含めた資金繰りを任せられる
資金調達をする際に、融資を受ける場合は負債を増やすこととなります。のちの負債の返済も考慮して、必用な資金のみ借入するようにすべきです。
税理士は融資を受ける際にサポートすることはもちろんですが、融資を受けた後に負債の返済についてのアドバイスをすることもできます。
また、融資以外でも課税対象となる場合などもあるため、資金調達だけでなく、企業全体の資金繰りを任せられることは大きなメリットです。
信用保証協会の保証料減額・中小企業経営力強化資金の融資
経営革新等支援機関に認定されている税理士に依頼した場合、信用保証協会の保証料の減額を受けることや、中小企業経営力強化資金の融資が受けられます。
詳しい内容は上記の「経済産業省の「経営革新等支援機関」の認定を受けている」の項目をご確認ください。
民間金融機関の優遇金利
優遇金利が設定されている民間金融機関の金融機関優遇があります。この金融機関優遇を受けるには、「中小企業の会計に関する指針」の沿った決算書を税理士に作成してもらい、「中小企業の会計に関する指針の適用に関するチェックリスト」つけることが条件です。
金融機関から信用されやすい
依頼した税理士が金融機関との信頼関係が既にある場合、提出する書類の信用度が上がり、融資が受けやすくなる可能性が高まります。
融資の面談のサポートが受けられる
金融機関から融資を受ける場合には、金融機関との面談を行わなければならなりません。融資を受ける目的や返済計画について話す必要があります。税理士は、面談でのポイントをおさえているため、的確なアドバイスやサポートをしてくれます。事前に練習をしてくれることや、税理士と金融機関との関係が良好であれば、スムーズに進めることができます。
税金のトラブルを回避できる
税理士は資金調達についてよく理解しているため、資金調達をする上での税金について任せることで、税金のトラブルを避けられます。
税理士報酬
税理士に資金調達を依頼した場合の報酬について紹介します。
着手金
着手金とは、税理士に資金調達をした際の初期費用のようなものです。依頼した場合に初めに払います。3~5万円が相場とされています。
成功報酬
成功報酬とは資金調達に成功した場合に税理士に払う報酬です。
相場は資金調達額の2~5%です。
補助金・助成金の場合
補助金・助成金の場合は、着手金がかからないこともあります。しかし、成功報酬が資金調達額の15~30%と高く設定されていることが多いです。
全般を依頼する場合
資金調達に関して全般を依頼する場合は、着手金と成功報酬を支払うことが一般的です。
事業計画書等の一部のみ依頼の場合
事業計画書の作成は3~5万円が相場で、資金調達の相談は1時間あたり1万円が相場です。
顧問税理士に依頼する場合
顧問契約をしている税理士が既にいる場合は、着手金がかからないことが多いです。また、成功報酬額は2~5%が相場で中にはかからないこともあります。顧問契約をしていない場合と比べると、安く済むことがほとんどです。
税理士の探し方
資金調達に強い税理士の探し方をご紹介します。
知人からの紹介
知人からの紹介であれば基本的には安心して依頼することができます。しかし、知人からの紹介でも資金調達の経験・実績がない税理士だった場合は、目的に合わないため、検討が必要です。
インターネットで検索
インターネットで検索し探す方法は、少し手間がかかりますが、税理士の経歴・実績を確認することができます。
税理士紹介サイト
税理士紹介サイトでは、条件を絞ることで多くの税理士を調べることができます。検索結果に出てきた税理士を比較し、検討することができます。また、税理士の経歴・実績についても記載しているサイトも多いため、とても便利です。
まとめ
資金調達にはいくつかの方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。ご自身で現状の経営状況を把握して、最適な資金調達の方法を選択することはかなり難易度が高いと考えられます。資金調達の方法を誤ってしまった場合、資金調達は負債が増えたり、課税対象となったりする方法もあるため、事業に影響を及ぼす可能性があります。そのため、資金調達を成功させるために、税理士への依頼をおすすめします。資金調達に強い税理士を探す際は、ぜひ税理士サーチをご活用ください。税理士サーチでは、資金調達に強い税理士を多数掲載しております。また、依頼する税理士をお悩みの方は、ご連絡ください。条件に合う税理士をご紹介します。