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FEATURE会計事務所キャリア特集 Vol.1

営業職から50名を率いるマネージャーへ!年収2.5倍を実現したBricks&UKでの挑戦

税務・会計に加え、BPO事業、M&A、人材紹介、Web制作などへ事業領域を広げ、中小企業の経営課題を幅広く支援するBricks&UKグループ。

BPO事業の1つである経理アウトソーシングの立ち上げから携わってきたのが、渡邊 愛様だ。士業業界向けのコンサルティング会社で営業・経営コンサルティングを経験した後、Bricks&UKへ入社。生産管理システムを活用した業務設計や仕組み化を進め、約50名のチームをマネジメントしている。

渡邊様のキャリアを軸に、Bricks&UKの事業展開と、社員が経験や強みを生かせる組織づくりについて、TAX CONNECTIONの税理士・古尾谷が取材した。

営業・コンサル経験から広がる渡邊様のキャリア

まずは渡邊さんに、これまでのキャリアについて伺います。前職でのご経験を教えてください。

渡邊様(以下、渡邊):新卒で株式会社アックスコンサルティングに入社し、数年間在籍しました。営業を中心に、担当した会計事務所へのコンサルティングにも携わり、会計業界に関する知識を身につけました。

Bricks&UKに入社したきっかけを教えてください。

渡邊:前職で営業として目標を達成し、次のキャリアを考える中で、経営を学びたいという思いが強くなりました。当時、梶浦は私のクライアントで、多くの会計事務所の先生と接する中でも、特に今後が気になる方でした。梶浦に相談を重ねるうちに、Bricks&UKへの入社が決まりました。

入社後、担当された業務についてお聞かせください。

渡邊:梶浦から「前職時代に会計事務所へ提案していた経理アウトソーシングを、自分で実際にやってみてはどうか」という話をいただき、事業の立ち上げに携わることになりました。

経理アウトソーシングを支える業務設計と生産管理

経理アウトソーシングの具体的なサービス内容を教えてください。

渡邊:売上・支出・資金に関する日々の経理業務から記帳代行、業務改善や生産性向上を図るコンサルティングまで、一貫したサービスを提供しています。また、BPO事業全体では、人事労務アウトソーシングや採用代行(RPO)も展開しています。

渡邊さんはどのような役割を担われているのでしょうか。

渡邊:経理アウトソーシングのチームに3名いる「業務の設計士」の一人として、お客様へのヒアリングをもとにマニュアル作成や業務の工程化を行っています。

そうした設計士の役割が必要になったのはなにか背景があったのでしょうか。

渡邊:以前は労働集約型の業務が中心で、1人抜けると現場の負担が一気に高まり、深夜まで対応することもありました。そこで、属人化を防ぐために業務を細かく分解し、誰が担当しても対応できる仕組みを作る必要があったんです。約1年半かけて、この運用体制を整えました。

そうした仕組みは、どのように設計したのでしょうか。

渡邊:業務を細かく分解し、各工程を人とRPA(ロボットによる業務自動化)で分担しています。例えば、大量の請求書を電子帳簿保存法に沿って処理する場合、まず人が必要な情報をExcelで整理してからRPAに渡し、PDFのファイル名変更などを自動化しています。

各工程も、詳細な作業マニュアルによって小学5年生でも作業できるレベルまで落とし込んでいます。さらに、これをあえて毎月まったく別のスタッフに割り振ることで、誰が入っても確実に業務が回る体制を作りました。こうして細かく分けた業務を生産管理システムに組み込み、チーム全体で運用できる形にしています。

経理アウトソーシングの業務設計から運用までの流れ(ヒアリング→業務設計→役割分担→システム化→運用)

生産管理システムとは、どのようなものですか。

梶浦様(以下、梶浦):社内では「BPS(Bricks&UK Production System)」と呼んでおり、トヨタ生産方式(TPS)の仕組みを取り入れています。スタッフの勤務時間に合わせて、その日の作業内容と作業順序を示す指示書が毎朝作成されます。このシステムと「製販分離」の体制を組み合わせることで、会計・税務の専門的な知識やスキルがなくても、安定してサービスを提供できる仕組みを整えています。

実際の業務の流れについて教えてください。

梶浦:記帳代行を例に説明すると、製造業のように帳票などの資料を「部品」と捉え、お客様ごとに必要な部品を「部品表」、作業工程を「作業手順書」としてマニュアル化し、ドキュメントで管理しています。届いた部品は検品担当者が確認し、所定の場所・形式で保管します。

作業時はその日の指示書で担当業務を確認し、必要な部品を準備したうえで手順書に沿って処理します。記帳時には、社内共通のルールに加え、お客様ごとの固有ルール表に沿って対応します。

業務の進捗や品質の管理方法を教えてください。

梶浦:各工程をタイムトラッキングし、作業ごとに設定した標準時間と実際にかかった時間を比較して進捗を把握しています。標準時間は目標時間として設定しており、これを意識してもらうことで、現場全体のスピード感と業務効率を保っています。結果は個人単位で集計し、評価にも反映しています。

こうした工程管理は決算書・申告書の作成にも取り入れており、作業を約30工程に分け、提出期限から逆算して各工程の納期を管理しています。また、複数段階のレビュー体制を設けており、最終レビューは有資格者が専任で担当し、業務の精度を維持しています。

経理アウトソーシングのチームでは、人員配置はどのように行っていますか。

渡邊:約50名のうち、約40名がパートスタッフです。経理代行は月初に業務が集中するため、繁忙期に合わせて正社員を採用してしまうと、中旬の閑散期に余分な固定費がかかってしまうためパートスタッフ主体の体制をとっています。

月初の繁忙期にはパートスタッフの勤務を集中させ、中旬には休日を取得してもらったり他の業務に回ってもらったりすることで、人件費を調整しています。

運営体制を整えたことで、現場はどのように変わりましたか。

渡邊:退職者が出ても業務が滞ることはなくなり、スタッフの帰宅時間も以前より早くなっています。今では、誰かが退職するときも「今までありがとう」という気持ちで、快く送り出せるようになりました。

仕組みを「文化」に変えたマネジメント

仕組みづくりを通じて、渡邊さんご自身が特に成長したと感じる出来事を教えてください。

渡邊:生産管理システムを業務に組み込み、チーム全体に浸透させ、「文化」として定着させたことです。変化に戸惑うスタッフもいる中で、マネジメントに悩むこともありましたが、取締役副社長の柴田が「やらなければならないことを、やりたいことへと変えていくのがマネジメントだ」と話すのを聞き、考え方が大きく変わりました。一人ひとりの運用状況も確認しながら修正を重ねた結果、チーム全体がスムーズに回るようになりました。

梶浦先生から見た渡邊さんの現在の評価を聞かせてください。

梶浦:入社当初から重要な役割を担ってもらい、着実に成果を重ねてきたと思います。特に、営業力とやり切る力を高く評価しており、安心して業務を任せられる存在です。

渡邊さんの活躍ぶりが伝わってきます。報酬面についてもお聞かせください。

梶浦:弊社では担当する事業の成果が、報酬にしっかりと反映される仕組みになっています。渡邊についても、報酬は入社時から大きく伸びました。

渡邊:入社時は年収約600万円でしたが、現在は約1,500万円になりました。

仕事に精力的に取り組まれていますが、休日はどうリフレッシュされていますか。

渡邊:海が近いエリアに住んでいるので、休日は愛犬とビーチで過ごしたり、バイクで海沿いを走ることも良い息抜きになっています。

バイクにまたがる渡邊愛様

経営課題を総合的に解決するBricks&UK

ここからは、Bricks&UK全体についてお聞きします。まず、組織規模や拠点について教えてください。

梶浦:税理士法人Bricks&UKには、現在約500名が在籍しています。グループとしては、税理士法人Bricks&UKを中核に、社会保険労務士事務所Bricks&UK、司法書士事務所Bricks&UK、株式会社Bricks&UKなどを展開しています。国内では東京、名古屋、四日市、大阪、沖縄の5拠点を構え、海外ではタイ・バンコクにも事業を広げています。

事業内容を教えてください。

梶浦:税務サービスを軸に、Web制作、M&A支援、人材紹介・外国人採用支援、BPO事業などを展開しています。事業全体で見ると、税務サービスの比率は半分弱にとどまり、BPOや人材紹介・採用支援をはじめとするその他のサービスが大きな割合を占めています。

中小企業の支援を始められたきっかけを教えてください。

梶浦:前職のアーサーアンダーセンで大企業向けのコンサルティングを行っていた頃、長年の友人から、父親が営む小さな工務店が借金で立ち行かなくなっていると相談を受けました。当初は「中小企業のコンサルティングなら、それほど難しくはないだろう」と考えていましたが、資金や人材に余裕がなく、信用力も十分ではない中での支援は想像以上に難しいものでした。

それでも半年ほど土日を使って取り組んだ結果、経営は大きく改善し、社長から涙ながらに感謝していただきました。この経験を通じて中小企業支援の意義を実感したことが、現在の事業につながっています。

そうした深い伴走経験を経て、現在ではどのような強みを持って企業を支援されているのですか。

梶浦:弊社では、計画・実行・評価・改善というPDCAサイクルを中小企業の経営に定着させ、活用していただける状態を目指しています。会計事務所は本来「Check(評価)」の役割を担いますが、弊社では「Plan(計画)」や「Do(実行)」の段階から伴走型で支援しています。

税務にとどまらず、経営課題の解決を幅広くサポートすることで、「Bricks&UKに任せておけばいい」とお客様に安心していただける点が、弊社の強みです。

渡邊様とBricks&UKの今後の展望

最後に、お二人の今後の展望を伺います。まず、BPO事業の今後の目標を教えてください。

渡邊:これまで整えてきた業務設計や運営体制を活かし、さらに多くのお客様を支援していきたいです。現在、約50名のチームを、まずは100名規模まで拡大することを目指しています。女性が多く活躍している部署なので、今後も働きやすく、力を発揮できる環境を整えていきたいです。

渡邊さんご自身の目標もお聞かせください。

渡邊:チーム全体の営業力をさらに高めたいと考えています。メンバーへの教育や営業ツールの整備に加え、バンコク事務所で働くスタッフの営業力向上にも取り組みたいです。また、個人的には大好きな動物のために、将来的に犬や猫の保護施設をつくることを目標に掲げています。

一般社団法人 会計事務所連携協議会(以下、会計連)にも参画されていますが、会計業界の今後の展望を教えてください。

梶浦:会計事務所の大きな役割は、やはり中小企業の経営者を支えることだと思います。企業が良くなれば、そこで働く人や社会全体の豊かさにもつながります。まず、Bricks&UKが成長することで、より多くの企業を支援できる体制を強化していきたいです。

そして、会計業界全体でも支援力を高め、社会全体に貢献していきたいと考えています。会員事務所の皆さんとも連携し、経営改善を実現する企業を1社でも増やしていきたいです。

本日は貴重なお話をありがとうございました。

プロフィール

梶浦 潮 様
税理士法人Bricks&UK 代表社員
慶應義塾大学経済学部を卒業後、名古屋鉄道株式会社の関連事業部でM&A業務に携わる。その後、かつて世界5大会計事務所の1つとされたアーサーアンダーセンで経営コンサルタントを務め、大手上場鉄道会社や大手金融会社などのプロジェクトを推進。2006年にBricks&UKを開業。現在は、税務にとどまらない幅広いサービスを展開し、中小企業の経営課題を総合的に支援している。さらに、2024年からは「一般社団法人 会計事務所連携協議会(通称:会計連)」の発起人として、業界全体の発展に向けた取り組みにも力を入れている。

渡邊 愛 様
株式会社Bricks&UK Outsourcing マネージャー
法政大学文学部を卒業後、株式会社アックスコンサルティングに新卒で入社し、会計事務所向けの営業やコンサルティングを担当。その後、2020年にBricks&UKへ入社し、経理アウトソーシング事業の立ち上げに参画。現在は、生産管理システムを活用した業務の仕組み化に加え、チームへの浸透・定着を図るマネジメントにも取り組み、事業の運営を担っている。

引用について

本記事は出典を明記のうえ引用できます。 出典:タックスコネクション 全国の税理士・会計事務所のポータルサイト(2026-10-30)